ドッグフードに使われる添加物

ドッグフードに使われる添加物

ドッグフードには、「栄養を補強する」「品質を保つ」「形を整える」ために添加物が含まれています。
ドッグフードも保存食ですから、内容物が劣化しないための添加物は必要不可欠です。

けれど、どんな添加物が使われているのか？合成か？天然か？くらいは、買う側としても確かめて、できれば安全なものを選びたいものです。

ドッグフード,添加物

専用の用語や物質の名前はややこしくて敬遠しがちですが、可愛い愛犬のため、今一度食べているフードの原材料をじっくり見てください。


ここでは、「品質を保つ」「形を整える」ための添加物を紹介します。

◎品質を保つために用いられているもの
　　　保湿剤・酸化防止剤・pH調整剤・保存料・乳化剤

◎美しく・おいしく整えるために用いられているもの
　　　増粘安定剤・着色料・発色剤・膨張剤

（対象の物質が多すぎるものは代表的な物質のみ表記しています）
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保湿剤

 

プロピレングリコール・・・半生タイプのドッグフードの水分を保つために用いる。

保湿剤・乳化剤・殺菌剤・防カビ性に優れていることから、洗剤や化粧品、歯磨き、シャンプーなどの日用品のほか、麺類やおにぎりなどにも使われています。

身の回りのほとんどの物と言って良いくらいに使用されています。
原液は猛毒です。発がん性が疑われるため、表示指定成分となっています。
経皮吸収するので、皮膚障害・アレルギー反応をおこすこともあります。



酸化防止剤

 

フードに含まれる油脂成分やビタミン類の酸化を防ぐために用いる。
油脂成分が酸化すると嗜好性が低下するだけでなく、食べると体調不良をおこすします。また、ビタミン類も効力が無くなります。
そのため食品には必ずと言ってよいほど使われています。

＜天然の酸化防止剤＞
ローズマリー抽出物、緑茶抽出物（カテキン）、エラグ酸、コーヒー豆抽出物、ハーブ類から抽出したもの

これらは自己犠牲となって働くので効力がだんだん落ちていきます。ドッグフードは小袋を選び早く使い切ること。

＜合成酸化防止剤＞（安全）
ビタミンＣ（L-アスコルビン酸）、ビタミンＥ（トコフェロール）、ミックストコフェロール、クエン酸

＜合成酸化防止剤＞ドッグフード,添加物危険
BHA、BHT、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム（亜硫酸塩）、二酸化硫黄

◎BHA（ブチルヒドロキシアニソール）・・・元はガソリンの酸化防止のために合成された。植物油脂やバターなどの食用の油脂にも使われていたが、動物実験において発ガン性があることが認められたため、人の食品には使用禁止になった。
しかし、まだ菓子類やインスタント食品などに使われているパーム油に添加されています。

◎BHT（ジブチルヒドロキシトルエン）・・・バター、魚介製品（冷凍、塩蔵品、乾製品）ガムなどの食品に使われている。
血中コレステロールの上昇、ヘモグロビンの減少、肝臓・腎臓に異変・障害がおこる。発がん性は「疑い」の段階ながら、国際がん研究機関では「発がん物質と指定」しています。

カップ麺などのプラスチック製品にも使われているため、中の食品へ移ることが指摘されています。

◎エトキシキン・・・現在日本では食品への使用は認められていません。規定付きの農薬(殺菌剤)扱いです。
環境ホルモンとされたダイオキシン系の化学物質で、発がん性があると言われています。
なのに、ペットフードに使用されています。




pH調整剤

 

pH調整剤・・・フードのpHバランスを適切な範囲に調整するために用いる。

pHを4～5くらいの酸性に保つことで、微生物の増殖を抑えて腐敗を防ぎます。
クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸（リン酸塩）など、いくつか組み合わせて使用するので、表示は特定の物質名ではなく、「pH調整剤」とだけ表示します。

pH調整剤の出現で食中毒などが減る一方、PH調整剤のとり過ぎは、腸内細菌の善玉菌を殺してしまうと言われています。

リン酸塩は特にカルシウムや亜鉛の吸収を妨げ（カルシウム不足はキレやすくなる）たり、骨を作る機能に悪影響があることが分かっています。過剰に取りすぎるのは注意が必要です。
ウィンナーやハムなどを始め、食品には多く使われています。
ドッグフード,添加物「こんなところに最近のキレやすい原因を見た気がします・・・。」


保存料（防腐剤）

 

ソルビン酸カリウム（ソルビン酸）・・・カビや微生物そのものの繁殖を妨げる働きがある。

カビや酵母、細菌に幅広く効果があります。単独でも過剰摂取では毒性があります。亜硝酸ナトリウム（亜硝酸塩）といっしょに使用されていることが多く、同時摂取すると発がん性を示すとされています。　

食品では、ハム・ソーセージ（加工肉）、マーガリン、ジャム、はんぺんなど練り製品、プロセスチーズ、和菓子、イカの燻製などに使用されています。



乳化剤

 

グリセリン脂肪酸エステルなど・・・油脂と水分が均一に混ざりやすくするため用いる。

保湿剤の働きもあります。ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ルビタン脂肪酸エステル、植物レシチン、卵黄レシチン、大豆レシチンなどがあります。

食品では、チョコレート、アイスクリーム、マヨネーズ、バター、ケーキ、ジャム、豆腐など多数に使われます。
化粧品やシャンプーなどでは「界面活性剤」と表示されます。



増粘安定剤

 

  • 増粘剤（糊料）・・・粘りやとろみをつける　

  • ゲル化剤・・・食品をゲル化、ゼリー状にする　

  • 安定剤・・・食品を接着し形が崩れないようにする

    • 食感や喉ごしを良くし、嗜好性を高めます。
    天然由来の多糖類が用いられることがほとんどです。澱粉や果実、藻類などから抽出。
    ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、など。

    食品の、ゼリー、ジャム、プリン、アイスクリーム、ドレッシング、缶コーヒーなどに使用される。



    着色料

     

    タール色素・・・石油やタールから人工的に合成した合成着色料

    食用赤色2号、3号、40号、102号、104号、105号、106号。
    食用黄色4号、5号。食用緑色3号、食用青色1号、2号。（計12種類）が指定されています。
    　
    安全性に問題があるとして、
    食用赤色104号・105号・106号（発がん性）
    赤色40号・102号（アレルギー）は国際的にはほとんど使用が許可されていません。


    天然色素・・・天然に存在するものの植物や動物などから作られた着色料

    クチナシ、パプリカ、ベニバナ、カラメル（Ⅰ）、フラボノイド（うこん）などがあります。
    ただ、天然というだけですべて安全とは言い切れません。抽出過程の薬品使用などで、危険に転じることもあります。



    発色剤

     

    亜硝酸ナトリウム（ソーダ）・・・肉や魚の缶詰類の黒ずみを防ぎ鮮やかな色を保つ。

    人の食品では、ハム・ソーセージなどの肉製品、いくらなどの魚卵の変色するのを防ぐのに用います。
    食肉に含まれるアミンと胃の中で結合すると、強い発ガン性があるニトロソアミンという物質に変化するのが知られています。そこにビタミンC があると、ニトロソアミンへの変化を止められます。



    膨張剤

     

  • 膨張剤・・・食品を膨らませる作用がある。

    ベーキングパウダー、ふくらし粉、重曹（炭酸水素ナトリウム）など。
    復数の物質を使用していても「膨張剤」のみの表示になる。
    イーストのように発酵時間が要らないので、時間短縮できるのが利点です。

    人の食品では、まんじゅう、蒸しパン、クッキー、ケーキ、お菓子作りに利用される。



    まとめ

     


    添加物には安全とされるものもありますが、化学物質からできた合成添加物がほとんどです。
    犬たちに限ったことではありませんが、現代は添加物を避けて生活することは難しいです。

    そこで、リスクを分散させる意味でも、同じものに偏らないようドッグフードのローテーションが必要ではないかと考えています。

    わが家でも、これまで長い間食べてきたフードを切り替えているところです。
    原材料をしっかり確かめ、さらにアレルギーや目ヤニなどが出ないものを慎重に選んでいます。

    フードローテーションの話はこちらです。
    ⇒ドッグフードのローテーションはなぜ必要？


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