老犬と早期治療のすすめ
大型犬では7〜8才くらいになってくると老化に伴って 消化機能・循環機能の低下や耳・目・鼻などの働きも衰えがみえ始めてきます。
この頃から体調を崩したり、気になる症状が出てきて病院に通院する回数も増えてくるかと思います。
高齢になると抵抗力も低下してきますので、少しでも異変がみられたときにはすぐに病院の診察を受けることをお勧めします。
1日延ばしに放置すると、悪化を加速させる結果になってしまいます。
子宮蓄膿症で早期治療の大切さを痛感
私ごとで恐縮ですが
ずいぶん以前にあった話を聞いてください。
当時うちには柴犬mixの9才を過ぎた2匹の姉妹がいました。
そのうちの一匹の様子がおかしい・・・。と、2日ほど気になっていました。
- 散歩のときいつも先頭を歩くのに、後ろを歩きます。歩く速度も遅いです。
- お腹が膨らんでいる気がします。
- おしりをよく舐めていました。
- お水をたくさん何度も飲んで、おしっこも量も多いです。
- 寝床が臭くて何か腐ったような匂いがしていました。(おりものの臭いでした)
病院に行かなくちゃと思いつつ、私自身の都合で病院に連れて行ったのはその翌日になっていました。
診察室で家での犬の様子を話し検査が終わったとたん 即、手術が必要だと言われました。
「子宮蓄膿症」との診断でした。
避妊手術をしていない中高年のメス犬に多い病気です。
お腹が膨らんでたり、臭いニオイがしたり・・という様子は子宮蓄膿症の症状だったのです。
ずいぶん悪化していると言われました。
しかも手術でお腹を開いてみて、子宮が破裂して出血してると腹膜炎をおこしている事が多く、その場合は命の保証はできないと言われました。
頭が真っ白になりジンジンしました。
ここにきて初めて事の重大さを知ったというか・・・情けなかったです。
自分の甘さを悔やみながら祈るような気持ちで手術の終わるのを待ちました。
幸運なことに子宮は破裂も出血もしておらず、手術は成功しました。
摘出された子宮は腫れ上がり私の片手いっぱいくらいの大きさになっていました。
(本来は大人の親指くらいの大きさ)
もう少し遅ければ破裂していたかもしれない・・・。ほんとにそう思いました。
手術の後、なぜここまで放っておいたのか、なぜもっと早く連れてこなかったのか。と 先生からお説教をいただきました。返す言葉もありませんでした。
経験が無いとはいえ、異常を見ていながらこんなことになると思ってもみなかった私自身の甘さが原因です。
その時、先生の話を聞いていてハッとさせられたのが
犬は人間の5倍や7倍の時間の速さで生きているということでした。
人間にはたったの1日でも 犬にとっては5日とか1週間が経過したことになり
人が思うよりずっと病症が進行してしまうのです。
こんな手術を経験しながらも、この子は17才まで長生きしてくれました。が、この出来事はそれ以来ずっと忘れたことはありません。
それ以降、少しでも気になることがあるときは無理をしてでもすぐに病院に行くようになりました。
からだの異常というのは突然起こったかのようでも、実はそれまでに見えないところで序々に進行してきているもので、気がついた頃にはすでに悪化していることも多いのです。
これを読んで下さった皆さんには私の失敗を繰り返さないでいただきたいです。
犬はどんなにしんどくても自分では何も言いません。
飼い主が早く気付き、早く病院に行くことが生死を分けることになるんだと痛感しました。
様子が変だな・・?と感じたら一刻も早く病院の診察を受けてください。
私のように日延ばししないでください。どうかお願いします。
それまで病気のひとつもしたことの無かった子だったので私にも油断がありました。
7才を超えるシニア期に入ったら最低でも2〜3ヶ月に一度くらいは定期的に健康診断を受けたり、血液検査も加えて、普段の体のようすを知っておくことも大切だと思います。
この後、ウチに迎えたわんこはずっと定期検診を受けるようになりました。