老犬が歩けなくなったら「寝たきり」とは限らない
愛犬が歳を取って、歩けなくなる、立ち上がれないという姿を目のあたりにするのはショックなものです。
あわてたように「愛犬が寝たきりになりました。」と始まる、SNSの質問もよく見かけます。
でも、それってほんとうに「寝たきり」なんでしょうか?
よくよく読んでみると、まだ寝たきりと決めつけるには早く、介助をしてあげればまだ歩けるのでは?と思うことがあります。
高齢になった犬が、歩けなくなってから寝たきりになるまでには、もっと段階があります。
まず、症状の出るのが後ろ足ですね。
- 後ろ足の先を時々地面にすって歩く。
- 後ろ足がふらつきながらも歩ける。
- 少し歩いて行くが、腰くだけになる。
- 自力で立ち上がれない。
- 前足も弱くなってくる。歩くと開く。
- 立たせてあげると少しは立っているが、そのまま崩れる。
- 四肢が弱り、寝たきりになる。
衰えの進行は、こんな様子です。
少し歩いて腰くだけになったり、後ろ足が踏ん張れないのは、筋力がだいぶ弱くなってきている状態と言えます。しかし、前足の筋力は後ろ足に比べ力があるので、後ろ足をサポートしてあげるとまだ歩けます。
そこで、後ろ足用の介護ハーネスで介助して歩かせてみる。または、後ろ足用の車椅子に乗せてみます。
後ろ足を自力で動かすようなら、ケガ防止の靴を履かせて歩かせると、筋力を維持する事ができます。
ほとんど動けないような状態の子でも、歩行器に乗せてあげると歩き出す子がいます。
(「犬の車椅子のわんうぉーく」さんの動画をお借りしました)
犬は立たせた状態を保ち、前足を動かすと後ろ足も条件反射的に動き出すのでしょうか。
かなり硬直したような感じでしたが、ちゃんと自分で歩き出しましたね。何回見ても嬉しくなります。^_^
(すべての犬が同じとはいえませんが)
更に、前足の力が落ちてきたら、前半身用+後ろ足用のハーネスで介助して歩かせる。
4輪の車椅子や室内で歩行器に乗せてあげるのも、筋力維持の方法です。
自分の行きたい方へ動けるのは、脳にも良い刺激になり、とてもいいリハビリになります。
反対に、犬は後ろ足がヨタヨタしだすと、あっという間に歩けなくなるのも現実です。手術などでほんの数日寝たまま安静にしただけでも、筋力が低下して歩けなくなります。
後ろ足が弱ってきてからでも、やってあげられることはたくさんあるはずです。
歩けない=寝たきりと決めつけていると、ほんとうの寝たきりにしてしまいます。
犬はどんな状態でも、歩こうとします。
自力で足を動かしているうちは寝たきりにさせないで、歩かせてあげて筋力を維持することが元気に長生きできる秘訣です。
前もって老化の進行を知っておいて、愛犬の変化に早めに対策を打っていきましょう。