犬に馬肉が良い?その効果と注意点
犬の手作り用の食材やトッピングの食材としてよく登場するようになった「馬肉」。
「なんとなく良さそう・・・」とは思っていましたが、調べてみると、驚きの内容でした。
少量で充分すぎるくらいのタンパク質が摂れるので、食の細くなったシニア犬・老犬におすすめの食材と言われる理由が分かります。
馬肉の特徴
1.低カロリーで高たんぱく
2.脂肪の60〜65%不飽和脂肪酸が占める
3.ミネラルが豊富
◎注意点と給与量のめやすも紹介しています。
1.低カロリーで高たんぱく
馬肉の一番の特徴は「低カロリーで高たんぱく」 です。
生肉のカロリー比較(/100g)
- 馬肉(赤身) 110kcal
- 鹿肉 90kcal
- ラム肉 227kcal
- 猪肉 268kcal
馬 肉 | 牛 肉 | 豚 肉 | 牛・豚と比較すると | |
---|---|---|---|---|
カロリー (kcal) | 110 | 229 | 202 | カロリーは2分の1 |
脂質(g) | 2.5 | 23.3 | 12.8 | 脂肪は10分の1〜5分の1 |
たんぱく質(g) | 20.1 | 18.4 | 18.9 | |
鉄分(mg) | 4.3 | 1.3 | 1.1 | 鉄分は牛肉や豚肉の3〜4倍 |
カルシウム(mg) | 11 | 5 | 5 | |
リン(mg) | 170 | 140 | 178 | |
ビタミンB2(mg) | 0.24 | 0.18 | 0.25 |
2.脂肪の60〜65%不飽和脂肪酸が占める
コレステロールを下げるリノール酸、リノレン酸をたっぷり含み、動脈硬化を防ぎ血管を丈夫にしてくれます。
馬肉は牛肉や豚肉に比べて、非常に脂肪が少ないのですが、その少ない脂肪の中身も、牛や豚にはほとんど含まれていない不飽和脂肪酸が60〜65%も含まれています。
(オメガ6とオメガ3が、2:1や2:1.5のバランスで含まれています。)
馬肉の脂肪の質は魚に似ていて、なんとあの摂取しにくい「オメガ3」が豊富に含まれているのは驚きです。
ご存知のようにオメガ3は青魚に多く含まれるもので、動物の脂肪では珍しいものです。
(オメガ3脂肪酸とは、α-リノレン酸・DHA・EPAなど)
(同様に鹿肉にもDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。)
3.ミネラルが豊富
鉄、セレン、亜鉛、リン、銅、カリウム、マグネシウム、が豊富です。
注目なのはセレンです。
セレン・・・
がん予防効果が期待されているミネラルです。
(動物実験でもセレン欠乏動物は発ガン率が高くなっている)
抗酸化作用があり、「活性酸素」から体を守り、老化防止に役立っています。
細胞膜などにある不飽和脂肪酸は酸化されやすく、酸化すると有害な過酸化脂質になり細胞や組織を老化させます。
セレンはその過酸化脂質を分解する酵素の成分として働きます。
ヘム鉄・・
鉄分は造血作用があり貧血を防ぐ働きがありますが、同じ鉄分でも植物性の非ヘム鉄より、動物性食品に含まれるヘム鉄の方が、鉄分の吸収率が数倍高くなっています。ヘム鉄は魚介類などにも含まれています。
(馬肉に含まれる鉄分は、牛肉や豚肉の2倍以上です。)
ドッグフードに良いとされる理由の一つに、
馬は飼育中にホルモン剤などの薬物が使用されることがない
のも、安心できる食材と言えるところです。
- ミネラル分が豊富なため、過剰に摂取すると結石のリスクがあります。
- 馬にはサルコシスティス・フェアリーという寄生虫がいます。が、馬肉を−20℃で48時間以上冷凍処理することで防げるとされています。
- 生肉は加熱すると酵素が分解される。(生で与えるのが好ましい)
- 馬肉100%では栄養が偏る可能性もあり、足りない栄養分は他の食材で補う必要がある。
与える量は?
体重だけで給与量を決めるのは難しいといえます。
年齢、犬種別、運動量などさまざまで、一概には決めにくいです。
馬肉100%の食事だけでは栄養が偏るので、他の食材も加える「手作り」になります。私の場合、手作りは無理なのでトッピングで使ってみようかと思います。
▼一応、試しにトッピングするときの計算をしてみました。(去勢済み健康な成犬)
・1日に必要なカロリー: 1436kcal (630kcal)/日
・ドライフードのカロリー:360kcal/100g とすると、
ドライフード:319g (140g)に対して、トッピング馬肉:80g (35g)が目安になります。
ちなみに、馬肉のみ100%で与える場合:1日 1305gです。(体重30kg去勢済み犬)
上記の1日分のカロリー1436kcalは、ウチのゴルくんには多すぎると思います。
1200kcal位でないと、すぐ太りますので。
馬肉のトッピングはドッグフード全体の2割くらいまでを置き換えるのが良さそうです。
ただし、愛犬の健康状態、お腹の調子もみる必要があります。
少量ずつ与えるようにして、犬の体が慣れるまで様子も見ながら進めるようにしましょう。
初めは少し加熱しても良いかもしれません。
まとめ
低脂肪で高タンパク、オメガ3も抗酸化作用のあるミネラル・酵素がたっぷりの馬肉は、これからシニア犬の仲間入りをする、わが家のゴルくんにも食べさせたい!です。
股関節形成不全をカバーする筋肉作りにはとても頼もしい食材だと分かりました。
ドッグフードのバランスをあまり崩さない程度にトッピングしてみたいと思います。
◎ オメガ3・オメガ6についてはこちらをご覧ください。
ドッグフードに必要?オメガ6とオメガ3調べてみた